GenkiGroupでは、2019年4月より人事制度を刷新。今回の新しい人事制度では、一般職からのキャリアアップ先として管理職コースの他に介護・福祉のプロフェッショナルとして専門職コースという枠を設置し、働く職員のキャリアの選択肢を増やしました。さらに職員の成長と給与が明確に紐づくよう、職種等級ごとの評価シートも新しくし、あわせて研修制度を充実させるなど、職員のキャリアアップをサポートしています。
GenkiGroupでは従来、介護・福祉に携わる職員のキャリアは、資格を取得し、現場担当から管理職へと昇進するしかありませんでした。そのため、大きく昇給したいと思ったら、役職につくしかなかったんですね。
しかしGenkiGroupで働いている方々は、若い世代からベテランの方、また高年齢の職員まで幅広くおり、それぞれが理想とする働き方はもちろん異なります。そのため、働く職員が満足できるキャリアパスを用意するために、今回新しく人事制度を刷新するに至りました。
まず大きく変えたのは、これまであった介護業務を行う一般職がキャリアアップして役職につく場合、管理職業務を行う「総合職コース」しかありませんでしたが、介護業務のスペシャリストとしての「専門職コース」を新たに追加し、それぞれの役割に対して等級制度を設けたことです。
職員の中には、管理職に就かずにずっと介護職を続けたいという方もいます。しかし、これまでの人事制度では、そういった方のキャリアパスを応援し、ステップアップするための制度になっていませんでした。
そこで、各職種等級ごとに専門の評価シートを新しく用意し、職種等級ごとに目標設定を行うことで、どうステップアップすればどう評価され、昇給するかを見える化しました。
また、総合職に就いたけれども、専門職に挑戦したいといった本人希望のコース転換も可能にしています。そうした人事制度によって、より自分にあったキャリアパスを描いてもらい、働くモチベーション向上を狙うことはもちろん、「給与が安い」といった業界イメージに対して誇れる人事制度にしたいと考えています。
今回の人事制度の刷新では、研修制度の強化も行いました。たとえば一般職から専門職コースにステップアップする場合、資格要件、職能条件、指導レベルの3つを満たす必要があります。
一方、これまでの研修制度は職員が集まって研修を受ける集合研修が中心でしたが、日々の業務もあるため、集合研修のみではなかなか職員の研修頻度を増やすことが厳しく、効率的にステップアップしていくのが難しい状況でした。
そこで動画で学べるeラーニングを新しく実施。一つひとつの動画も5〜10分と短めに設定しているため、業務時間内に勤務施設で研修を受けられるようになっています。
また等級が一級になった場合は、社外に対して、たとえば地域の講習会や指導会に参加できるような等級制度になっています。そこで職員の指導レベルを高めるために、外部の講師を招いたチームケアや部下指導といったマネジメントを体系的に学べる研修も強化しました。
そして今回、他職員の理解を深めるための研修も新しく用意しています。たとえば介護職員であっても営業研修を設けており、「営業の人はいつも外に出て何をしているのか?」といった疑問をなくしたいと思っています。そうした研修により他職種の職員とも信頼関係を築き、ただ目の前の介護業務だけでなく、より職員全員が「GenkiGroupとして、いかにサービス向上を図っていくか」といった視点を持った、チームワークでの仕事に期待したいと考えています。
今回の人事制度刷新で難しかったのは、適切な評価軸の設定です。というのも、介護職員の評価軸はノウハウがあるのですが、理学療法士等のセラピスト、管理栄養士、ケアマネージャーなど、専門性の高い職種の評価ノウハウが乏しかったからです。
そこで新しい評価制度では独自の評価基準だけでなく、資格取得を評価基準の1つに取り入れ、また職能団体ごとに設けられた評価基準をGenkiGroupの評価基準とリンクさせるなど、客観的な評価軸を取り入れています。
そういった評価軸は、全国的に通用するライセンス・資格を保有することで、GenkiGroupの職員が仮に他の企業へ転職をしたとしても活躍できる人材になってほしい、という想いも込めています。
なぜなら、どんどん増えている認知症患者の問題、また介護業界の人材不足といった日本の問題に対して、我々GenkiGroupができることは、全国各地域での介護力をアップしていくための人材を輩出し、我々が持つ介護の知識・ノウハウが流通することだと考えているからです。
そして経験値だけでのキャリアアップではなく、客観的な基準に基づく評価軸を設けることで、介護職員のみなさんが自分たちの価値に気づき、「プロである」という自覚と誇りを持って働いてほしい、そう思っています。